リウマチと診断されると、従来のイメージで悲観される患者様も少なくありません。しかし、近年はこれまでになかった新たな治療法も出てきました。リウマチの治療においては、完治ではなく「寛解」に向けて、薬で痛みなく落ち着いて過ごせる状態を目指していきます。長期的な治療になるからこそ、患者様に正しい情報を丁寧にお伝えした上で、確実な治療の提供を心がけています。一緒に、前向きに取り組んでいきましょう。
リウマチ
関節リウマチとは、関節にある滑膜に対して、自己免疫反応を起こしてしまう疾患です。滑膜が自分の細胞に攻撃されて、その部分が痛くなったり腫れてしまったりします。適切な治療が行われないと、骨が変形してしまうこともあります。一般的に40代から50代の女性に多く発症し、初期症状としては手首や指の痛み、腫れなどが挙げられます。朝の起床後、1時間ほど指がこわばってしまい、動かしにくいというケースも多く発生します。左右に対照的な症状が出ますが、中には片方の関節にだけ症状が出る単関節型のリウマチの場合もあるため、注意しなければいけません。特に変形性関節症の治療を行っていて症状が改善しない場合は、関節リウマチの可能性も考慮します。
こんな症状でお困りの方はご相談ください
- 手首や指が痛い、動かしにくい
- 手首や指が腫れている
- 指が曲がってきた
- 起床後、1時間ほど指のこわばりがある
- 変形性関節症と診断されたが、治療をしても良くならない
リウマチの検査
リウマチの場合、血液検査で約8割が陽性となりますが、残りは陰性です。そこで、診断においては血液検査のほかに、症状や関節の腫れ、腫れている関節の数、朝のこわばりの度合い、発症してからの期間、画像診断などを行い、総合的に判定します。当院ではMRI検査や超音波検査を活用し、症状が現れていない段階からリウマチの兆候を発見することも可能です。早期治療によって骨の変形を残さないことを目標としています。
リウマチの治療
痛みや腫れがつらいリウマチは、炎症が出ている部位をなかなか使わないようになってしまいがちです。しかし安静にすればするほど関節が拘縮してしまい、その部位は動かなくなります。治療では従来型抗リウマチ治療薬をはじめ、生物学的製剤などを用いて薬物療法を進めていきますが、変化を感じるまでには2~3カ月程度かかります。そのため、当院ではリウマチと診断された後、薬の効果が出る前からリハビリテーションに取り組むようにしています。過去にステロイドを服用して骨粗しょう症が進行したり、関節の動揺など他の症状が出ていたりする場合も、経験豊富な医師とリハビリテーションスタッフが対応しますのでご安心ください。